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2009年8月 1日 (土曜日)

【第17回】補正予算執行停止

【第17回】補正予算執行停止
引き続き、民主党マニュフェストより検討する予定でしたが、あまりにも正気を疑うことを主張し、かつ「応援団」のマスコミが敢えてミスリードさせているので、今回はそちらの検討から。

-<民主党>独自政策の財源は補正予算 数兆円を執行停止
『民主党は30日、衆院選マニフェスト(政権公約)に盛り込んだ独自政策を実施する財源について、09年度補正予算(総額14兆円)の未執行分の執行を停止して賄う方針を固めた。マニフェストでは、政権獲得後の初年度に当たる2010年度予算で、子ども手当の半額(月1万3000円)支給や 暫定税率廃止など7.1兆円分の独自政策を実施するとしている。同党は既に執行停止が可能な未執行分の精査を財務省などと進めており、7.1兆円のうち数兆円分が補正の執行停止で賄えると見込んでいる。
執行停止の対象とするのは、大半が新設で「補正の規模を大きくするための手段」と民主党が批判してきた46の基金に積み上げられた4.4兆円をはじめ、独立行政法人などの官僚天下りの受け入れ先へ支出された3兆円、官公庁の施設整備費2.9兆円など。同党の政調幹部が現在、財務省、厚生労働省、農水省などに対し、補正予算の執行状況を照会し、未執行分の洗い出しを進めている。

政権を獲得した場合は、未執行分を確定後、秋の臨時国会に減額補正の予算案を提出して成立させ、財源に活用する。鳩山由紀夫代表が「巨大国営マンガ喫茶」と皮肉った「国立メディア芸術総合センター」の事業費用117億円も減額補正の対象となる。
マニフェストに盛り込んだ10年度に実施する独自政策には▽子ども手当▽高校無償化、▽年金記録問題対応▽医師不足解消などの段階的実施▽暫定税率廃止▽高速道路無料化の一部実施▽雇用対策--などがある。
現在の政権が編成した補正予算を財源として活用するのは、衆院選後、約3カ月という異例の短期間で予算編成をしなければならないためだ。
財源の捻出元として、13年度の段階で▽無駄遣い削減9.1兆円、▽埋蔵金活用5兆円、▽租税特別措置見直し2.7兆円--の計16.8兆円とマニフェストに記したが、年度ごとの内訳は明記していない。 』

マスコミ報道は以上の通りですが。
まず、根本に遡って平成21年度補正予算の内訳を見ていきましょう。
ネット上の何処のマスコミを探しても全貌が載っていませんでしたので(本当に役立たず)、財務省HPから書き写し。

【平成21年度補正予算 14兆6987億円内訳】
☆雇用対策               1兆2698億円
1.再就職支援・能力開発対策進       7068億円
2.雇用創出対策              3085億円
3.派遣労働者保護対策、内定取消対策等     44億円
4.住宅・生活支援等            2500億円
(内訳 生活福祉資金貸付事業の拡充     702億円
    再就職支援付き住宅手当制度創設   308億円
    雇用保険・生活保護等費用     1408億円)
5.雇用調整助成金(失業給付費等)の拡充   6012億円

☆金融対策  2兆9659億円
1.中小企業の支援繰り支援      1兆5454億円
(内訳 緊急保証           1兆1236億円
    セーフティーネット貸付等     2718億円)
2.中堅・大企業の資金繰り支援      7174億円
(内訳 危機対応業務           3031億円
    政投銀出資            3500億円)
3.住宅・土地金融の円滑化等       7031億円

☆低炭素革命  1兆5775億円
1.太陽光発電              6081億円
(内訳 スクールニューディール構想    4892億円
    太陽光導入支援           470億円)
2.低燃費車・省エネ製品等        8665億円
(内訳 環境対応車買い換え支援      3702億円
    クリーン家電推進・エコポイント制度2946億円)
3.交通機関・インフラ革新         298億円
4.資源大国実現              731億円

☆健康長寿・子育て          2兆0221億円
1 地域医療・医療新技術          8207億円
(内訳 地域医療再生交付金         3100億円
    先端医療提供機関機能強化   726億円
    医療施設の耐震化等    1741億円
    未承認薬の解消集中対策    797億円
新型インフルエンザ対策  1279億円)
2.介護職員の処遇改善・介護拠点整備   8361億円
(内訳 介護職員の処遇改善         3975億円
介護基盤の緊急整備等 3294億円
介護施設の開設等に関する支援    799億円)
3.子育て・教育支援           3652億円
(内訳 子育て応援特別手当の拡充      1254億円
安心子供基金の拡充        1500億円
    高校の授業料減免・奨学金の緊急支援 486億円)

☆底力発揮・21世紀型インフラ整備  2兆5775億円
1.農林漁業の底力の発揮       1兆0131億円
(内訳 農地集積加速化促進事業      2979億円
    米粉用米等の生産需要拡大対策   1168億円
    森林整備加速化・林業再生事業   1238億円)
2.先端技術開発・人材力強化・中小企業支援7932億円
3.地域連携と競争力強化の基盤整備    4262億円
4.ITによる底力発揮          2827億円
5.ソフトパワー・観光           624億円

☆地域活性化等              1981億円

☆安全・安心確保等          1兆7089億円
1.社会保障               2293億円
(内訳 年金記録問題対策          519億円
    障害者自立支援対策の推進等    1574億円
    高齢者医療対策           156億円)
2.消費者政策の抜本的強化等        112億円
3.防災・安全対策          1兆1711億円
(内訳 社会資本ストックの耐震化等    2706億円
    ゲリラ豪雨、洪水、高潮等対策   3685億円
    交通の安全確保対策        3195億円)
☆地方公共団体への配慮        2兆3790億円
1.地域活性化・公共投資臨時交付金  1兆3790億円
2.経済危機対策臨時交付金      1兆0000億円


以上、流石に14兆円の使いでは豪毅です。
但し、ちゃんとポイントを抑えた対策をしています。
個人的には、環境対応車支援が3702億円、エコポイント減税が2946億円、というのは費用対効果を考えると、非常に景気にとっては有益な気がしますね。

さて、ここで冒頭に戻りますが、この予算の何処に民主党やマスコミが主張するところの
『独立行政法人などの官僚天下りの受け入れ先へ支出された3兆円』
があるのでしょうか?
恐らくは各種独立行政法人が予算執行する部分を掻き集めた金額だと思いますが、
では、それはどの部分で、その分野に関する予算執行は何処が担当すればいいと考えているのでしょうか?
「全て無駄」だから国は予算と共に一切手を引くのか、改めて国直轄にして予算を組み直すのか?
「来年度予算編成までに時間がない」と主張している以上、答えは前者しかありませんが、では、この予算の何処の部分をバッサリ削るのか? 
是非具体例を挙げて説明して貰いたいものです。
自分が補正予算を読み取る限り、削るにしても「底力発揮・21世紀型インフラ整備」の項目あたりから少し削るくらいしか想像できませんけど。

それ以外にも『官公庁の施設整備費2.9兆円』というのも、何処を足してもそんな数字にはならないのですが。
まさか「低炭素革命」の項目の、学校の耐震化費用まで含んでないですよね?
ひょっとして、マスコミは民主党の主張を垂れ流すだけで、自分で計算していない……なんてことはないですよね? 
国民が予算の詳しい内訳まで読まないことを見越して。
あと『46の基金に積み上げられた4.4兆円』も、これは専ら雇用対策・金融支援対策の基金であって、確かに削れるでしょうが、削ればいいってものでもないと思いますけれど。
「我々民主党政権になれば景気が瞬く間に良くなるので、そんな基金の積み立ては不要だ!」というのなら、もう何も指摘しませんけれど。
それにしても、この記事に関しては民主党の主張そのものよりも(別段いつもと変わったことを云っている訳じゃないから。至って普通の滅茶苦茶な思いつき提案)、完全な御用機関と成り下がって、その主張を垂れ流すだけのマスゴミの方が余程悪質ですね。
本当にこの「予算執行停止」が成立した後の、彼らの報道の在り方が「楽しみ」です。
(続く)

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