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2009年12月 9日 (水曜日)

12月8日のニュース【社説】

*[社説]
-沖縄タイムス:社説[普天間大詰め]
二者択一こそ日米軽視
鳩山由紀夫首相は近く沖縄基地問題について基本的な姿勢と考え方を米側に説明する方針だ。「変革」を掲げた新政権に私たちが期待するのは、「日米同盟の維持」か「沖縄の負担軽減」か、という二者択一ではなく、新しいアプローチだ。
鳩山首相に早期の決断を迫る意見がある。しかしそれは名護市辺野古への移転をためらうな、と迫っているに等しい。急ぐ理由が分からないし、むしろそれこそ無責任だ。
県内では普天間の「県外・国外」を求める声が日増しに高まっている。基地問題は政府間の合意があっても、それが地元の頭越しであっては実現が難しいのは、分かり切ったことだ。
13年も進展しない普天間問題ばかりか、1974年に返還合意した那覇軍港も移転先が見つからず塩漬けされたままだ。米国の不満の矛先は、難しい移転計画に空手形を連発してきた日本政府のあいまいな態度に向けられている。米政府をおもんばかったように「早く決めろ」という主張こそ、うわべだけの外交・安保論ではないか。
年内決着を迫れば、県外・国外の可能性を調査する余裕はなく、唯一の日米合意案である辺野古に限定される。それでは3党連立政権が分裂の危機に陥り、デリケートな基地問題に対応できなくなる。
日本は米軍駐留にどう向き合っていくべきか、深い議論をしなければならないはずだ。「地理的優位性」という言葉を免罪符に、米軍基地の過重負担を沖縄に押し付ける時代は終わったからだ。
政権交代は、この国のあり方を問い直す絶好のチャンスだ。ところが、普天間問題は首相と関係閣僚、そして党執行部の見解がばらばら。普天間を嘉手納基地に統合する可能性を探ろうとした岡田克也外相は、具体策に至らないまま統合案を引っ込めた。
言いっぱなしで戦略性がうかがえず、結果として混乱を残しただけではないか。日米同盟の「のどに刺さったトゲ」と表現される沖縄基地問題をどの方向に導こうとしているのか見えてこない。
(1)普天間を使う海兵隊が日本に駐留する必然性はなにか(2)海兵隊は県外で機能しないのか(3)県外移転を不可能とするのはなぜか―などの問いからもはや逃げられない。
冷戦型の対脅威論は友愛精神に基づく「東アジア共同体構想」になじむのか。日米同盟の深化と沖縄基地問題の解決をどう両立させるのか将来ビジョンを示してほしい。
日本は「安保ただ乗り」を米国から批判される。国内では沖縄に負担を押し付ける「二重のただ乗り」について論議があまりない。
関西空港などへの普天間移転について発言している橋下徹大阪府知事は6日、近鉄花園ラグビー場で、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」というラグビー精神に関連づけて、「沖縄は孤立している。みんなで一緒に考えましょう」と観戦客に呼びかけた。
鳩山首相は拙速に結論を出すべきではない。

-熊本日日新聞社説:普天間問題 事態の打開は首相の責任だ
リーダーの条件が、(1)的確な情勢判断(2)決断と目標の明示(3)実行のための処置、とすれば、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐる鳩山由紀夫首相の態度は、どれも失格と言わざるを得ない。
「県外・国外移設」を主張する社民党の連立離脱を避けるため、結論を来年まで持ち越すという。しかも、日米間で合意したキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)以外にも移設先の選択肢を広げて検討するよう岡田克也外相に指示し、その一方で「辺野古は生きている」と発言する。そこには決断もなければ、目標の明示も見られない。
鳩山首相は、沖縄に対する「思い」を繰り返し述べる。沖縄は戦後、米軍基地の過重な負担を一方的に押しつけられてきた。政府が負担軽減を追求するのは当然だ。さらに首相には、自民党政権下の対米追随外交に終止符を打ちたいとの政治的信念があり、現行案をそのまま引き継ぐことには消極的だった。
そうであるなら、首相はもっと早い段階で現行案見直しの方向性を示し、閣内で代替案の調整を急ぎ、対米交渉にあたるべきではなかったか。政権交代という大きな節目に、強いリーダーシップを発揮してこそ事態を変える可能性があった。
ところが、現実は迷走に次ぐ迷走である。岡田外相が「嘉手納統合案」にこだわり、北沢俊美防衛相が「現行案容認」を示唆して閣内不一致の醜態をさらしたのも、首相のあいまいな姿勢が原因と言える。
対米外交でも首相のあいまいさが目立つ。11月中旬の日米首脳会談を受けて、オバマ米大統領が「作業グループを設置し、過去の日米合意について議論する」と述べたのに対し、首相が日米合意は前提にならないと大統領発言を一夜にして覆したことは記憶に新しい。
首相は会談で「私を信じて」と大統領に伝えたというが、今日の事態は米側にとって信頼を損ねる「裏切り行為」と映ってもおかしくない。
一方、沖縄では「県外移設」の期待感が当然、膨らんでいる。普天間飛行場の危険性除去を優先し県内移設を容認する仲井真弘多知事は「(容認の気持ちは)だいぶ薄くなった。県民の意向に沿う部分が強まる」と述べたが、首相はこの発言を重く受け止めなければならない。迷走の揚げ句、現行案に落ち着いた場合、批判は免れないだろう。
移設問題に加え、日米地位協定や思いやり予算の見直し、東アジア共同体構想などを提起した首相に対し、米側には疑念や不安感が増している。首相が決断を先送りすればするほど、選択の幅は狭まり、決断を迫られる状況に追い込まれるだろう。対米従属外交への反発ムードや「自主外交」への期待感に流され、状況判断を誤れば、日米同盟そのものを危うくしかねない。
今求められるのは、現行案を見直すかどうかの方向性を首相が明確に示すことだ。見直す場合には、代替案を早急にまとめて対米交渉のテーブルに乗せる必要がある。もし受け入れるのであれば、沖縄のさらなる負担軽減策を米側と詰めることを求めたい。
行き詰まった事態を打開するのは首相の責任である。

-中国新聞 社説:普天間移設 どちらにもいい顔では
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について、鳩山由紀夫首相は年内決着を断念した。日米間で合意した名護市辺野古以外にも選択肢を広げて検討するよう、岡田克也外相らに指示した。
 在日米軍基地の75%が集中する沖縄県民の「思い」に応えたい、という気持ちは強いようだ。同時に、日米合意の重さも繰り返し口にしている。難しい政治判断で揺れ動いている心中が推察される。
 旧自民党政権の13年間で実現できなかった移設問題の解決を、発足3カ月の鳩山政権に求めるのはいささか酷ともいえる。拙速は避けるべきだ。協議に時間が必要ならば、年内決着にこだわることもなかろう。だが議論が煮詰まっていくどころか、むしろ混迷の度を増しているように見える。
 年内決着の断念は、県外・国外移設を主張する社民党の連立離脱を避けるため、政局判断を優先した形である。政府の方向性が定まらないまま先送りを余儀なくされたのが実情だろう。これでは米側が反発するのは当然である。
 問題は、首相がどうしたいのかが見えてこないことだ。「最後は自分が決める」と繰り返すだけで、議論を主導した形跡は見られない。
 当初、岡田外相が「嘉手納統合案」にこだわり、北沢俊美防衛相が「現行案容認」を示唆して閣内不統一の醜態をさらしたのも、首相のあいまいな姿勢が原因といえる。この辺で自らの考えや腹案をはっきり示し、指導力を発揮する責任がある。
 11月中旬の日米首脳会談で、首相はオバマ大統領に、普天間の早期解決について「私を信じてほしい」と伝えたという。一方で「もしも名護で決着なら重大決意をする」と連立離脱を示唆した社民党の福島瑞穂党首に対しては「3党連立は大事にしたい」と述べた。
 首相はどちらにもいい顔をしようとしている。だが、場当たり的な対応を続けると、結局は双方からそっぽを向かれかねない。
 沖縄県では「県外移設」の期待が高まっているという。1月の名護市長選への影響もあるだろう。移設先候補地として、米領グアムや鹿児島県馬毛島など数カ所が取りざたされている。しかし、いずれも地元合意を得るのは困難だろう。時間だけ空費して迷走の揚げ句、現行案というのでは不信感が募るばかりである。

-中国新聞:出口
このところ海外で火災による犠牲者が相次ぐ。ロシアで起きたナイトクラブ火災では、100人以上が亡くなった。ロシア史上最悪ともいわれる▲ショーに使われた花火が天井に燃え移ったらしい。狭い1カ所の出口に、客が押し寄せるテレビ映像も流れた。内装に木材を使い、おしゃれな造り。それだけに安全への無神経さが気になる。先月起きた韓国の射撃場火災では爆発に近く、出口に向かう時間すらなかった▲旅先の心得としてはもちろん、「出口」までのチェックは何かにつけ大切だ。アフガンに軍3万人の増派を決めたオバマ大統領も「2011年には撤退開始」と、念押しすることを忘れなかった。ただ暗闇のような治安状態が続いては、さあ脱出という段に道筋が見えるかどうか▲片や世界的な金融危機から、景気が落ち込んでいる日本。鳩山連立内閣へ政権交代したからといって、すべての問題が片付くというものではあるまい。解決の「扉」はどこにあるのだろうか。これまで長年積み重ねた障害物があって、なかなか見えてこないようだ ▲デフレに加え、沖縄の普天間飛行場の移設問題…。いざというとき、立ちすくんでいては最悪だ。慎重に見極めた上で、たとえ火の粉が降りかかろうとも覚悟して出口へ進むしかない。

-東京新聞【私説・論説室から】:『パンとサーカス』か?
中学卒業まで一人当たり年三十一万二千円の子ども手当支給と、行政刷新会議の事業仕分けを見て、古代ローマの「パンとサーカス」を思い浮かべるのは、いささか不謹慎であろうか。
古代ローマでは、「パン=食物」と「サーカス=見世物(みせもの)」を民衆に無償提供することで政治的関心を封じ込め、民衆を治めることが一般的だったという。
村上春樹さん流に言うところの「200Q」年に誕生した民主党政権下では、パンが子ども手当に代表される直接給付、サーカスが事業仕分けによる官僚攻撃に思えてしまうのだ。
子供一人当たり年三十万円を超える収入増は、現下の厳しい経済情勢に苦しむ子育て世帯には朗報だ。
事業仕分けも、旧政権下で実権を握り続けた官僚たちが仕分け人にやり込められ、明るみに出た「無駄遣い」が切り刻まれていく光景は実に気持ちがいい。
だとしても、単なる「ばらまき政策」なら、経済的自立への意欲を育むことにならないし、官僚たたきの熱狂に酔いしれることなく、政策の要・不要は冷徹に見極めなければならない。
政権側の意図はともかく、政治的関心を失ってはならないのだ。
ンとサーカスは、ローマに社会的堕落をもたらし、滅亡の一因となった。「200Q年体制」が、かつてのローマになることがないよう、日本人の良識を信じるとしよう。

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